少人数制の授業の初回というものは緊張するものである。知っている顔が数人いるといっても、緊張しないわけではない。特にぼくは緊張しいであるため、極度の緊張感をもって教室に足を踏み入れた。友達100人できるかなぁ、いじめられないかなぁ、いきなり告白されたりしないかなぁ。ありとあらゆるシチュエーションで自分がどう振舞えばいいか、完全にシミュレートした上での入場である。
が、いかんせん教室に行ったのが早かった。前の時限の授業がまだ行われていたのである。いくら緊張してたとはいえ迂闊だった。教室内の視線が一斉にぼくに集まる。
「すみません、間違えました。」
いや、間違ってはいない。早過ぎただけなのだ。だが、「すみません、早過ぎました。」では意味不明ではないか、そう判断した上での嘘だった。母さん、今日ぼくは嘘をつきました。
そんなことはどうでもいいのである。今日のゼミの内容は、使用するテキスト決め、役職決め、などなどであった。テキストに関しては、面白そうなテキストなので問題はない。問題なのは役割決めだった。
ゼミ長、副ゼミ長、書記、会計、合宿係、コンパ係、プレスメントリーダーを選出しなければならなかった。選出といっても全員がなんらかの役職に就くのだが。さぁ、ここぞ民主主義の出番である。
「おれ、どの役職に就こっかな~、コンパとか合宿にしようかなぁ、書記もいいかもしれん。一番最初の書記の人って初期書記っていうんだよな。私しょきしょきです、って口で言われても意味不明だな。私しゃきしゃきです、の間違いじゃないですか?とか言われそうだなあ・・・」
なんてくだらないことを考えていたちょうどその時、「清水君ゼミ長でいいんじゃないですか?」という声が15時の方向から聞こえた。そして21時の方向から、「私もそれに乗ります、清水君でいいと思いまーす。」という声も聞こえた。
おいおい勘弁してくれよ、おれは初期書記(しょきしょき)になりたいんだよ。と思っていたその時、先生の鶴の一声、「じゃあ清水君に決定で。」(@_@;)わーい\(-o-)/わーい\(-o-)/・・・
はい、ぼくは今日ゼミ長になった。ゼミ長・・・格好悪い響きではある。刑事長(でかちょう)ならまだ良い。ゼミ長である。新種のセミの王様みたいではないか。次回からは是非刑事長と呼んでもらいたいものである。
ぼくの中での理想的なリーダーの選び方について少し書いてみる。お互いのことを知らない男女が複数名いるとする。彼らが一緒に何かをしようとするとき、自然発生的に中心となる人物が生まれる。その自然発生的に中心となった人が、集団のリーダーとなるべきであるとぼくは考える。もしくは、全員で投票をして、得票数の一番多い人がリーダーになるべきである。何故なら、リーダーには自然にそう振舞ってしまうような資質が必要であり、また皆に認められていることが必要不可欠であるからである。
先に断っておくが、ぼくは自分大好き人間である(ナルシストではない)。自分のことを過大評価するし、妄想癖もひどいし、なによりよくホラを吹く。
つまり、今日ぼくがゼミ長になったということは、そういうことである。現在、自分にはリーダーになる資質があるのだ、と無理やり自分を納得させている最中である。
「責任はあるが、権力はない」
そんな言葉が脳裏をかすめたりもしているが、もう心配はいらない。やると決まったからには全力を尽くすのみである。2年間のゼミが終わったとき、「ゼミ長おつかれさま。好きです。だから膝枕をしてあげます。」と誰かが言ってくれればそれでいいのである。またまた断っておくが、ぼくは変態ではない。ぼくのブログは面白ければそれでいいのである。
というわけで、初期書記にはなれなかったが、明日から刑事長ならぬゼミ長として頑張る所存である。
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